ホーム > 観光スポット > 外国人から観た東京紹介 > 中国語簡体字で語る東京 Vol.9 湯島天神の梅まつり
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日本の学校は、桜が咲く4月に新学期が始まります。そのため日本の受験生たちは、ほかの国のように真夏の日差しのなか汗を流しながら試験会場に向かうのではなく、強い風に吹かれながらマフラーをしっかり巻いて試験会場に向かわなければなりません。
今年の冬、私は、ある名門大学で2週間、試験監督として毎日受験生を見ていました。厳しい寒さに耐えて勉強する姿を見ると、頼もしく感じました。きっと、耐えて耐えて耐え抜いた学生は、春の暖かさに咲く桜を一段と美しく感じられるのだろうなと思ったのです。日本では、試験に合格することを「桜咲く」と言います。しかし、私には日本の受験生たちが梅の花のように思えます。梅の花は受験シーズンと同じ時期に咲き始め、結果が分かる頃に満開を迎えます。冬の寒さに耐え抜いた梅だけが美しく花開くのです。
湯島天神は、受験シーズンである2月初めから3月初めまで「梅まつり」を開催しています。学業の神様として知られる菅原道真を祀る湯島天神の梅園は、東京都内でもっとも広いとか、もっとも美しい梅の観賞地というわけではありません。しかし、梅の向こうに見えるお社と、絶えず訪れる参拝客が学業成就や合格を願う風景は格別で、そこに咲く花々は受験生たちを黙々と励ましているように感じられます。
菅原道真とは、平安時代の著名な学者で、当時の最高の位まで昇進した政治家でもありましたが、同僚の中傷によって左遷されてしまいました。道真が左遷先で亡くなった後、日本国内では天災が続いたため、道真の怒りを怖れた朝廷は彼を神様として祀り、次第に学問の神様といわれるようになりました。道真公を学問の神様として祀る場所は天満宮と呼ばれ、日本一の大学である東京大学に程近い湯島天神は、もっとも有名な天満宮の一つです。菅原道真は生涯で多くの梅の詩を残しており、後世の歌人も道真公を梅の花に喩えて詠っていることから、この天満宮にある梅には特別な意味があるようです。梅園の中には「千年祭碑」という明治時代に建てられた漢文の石碑があります。中国文化を重んじた古代を偲ばせながら、西洋文化の流入によって失われたものを風刺しているようでもあります。この小さな梅園の中を散歩していると、中国から多大な影響を受けた日本文化に思いをめぐらせることができます。
受験祈願の風習は日本各地で異なりますが、天満宮でお参りし、「絵馬」という家のような形をした木の板に願い事を書いて神様の前に供え、お守りと一緒に鉛筆や鉢巻を授かり、願いが叶ったらお礼参りをするのが一般的なようです。今にも倒れそうな程たくさん掛けられた絵馬を見ると、学生たちのやる気に満ちた姿が目に浮かんだり、代わりにお参りに来た親や祖父母の期待と愛情を感じたりします。これもまた、梅の花の下で味わえる一つの楽しみです。
湯島天神の周辺にはいつも色々な出店が並んでいます。お堂近くのお守りを売る売店では占いをしてくれたり、合格祈願ができるお店があったりと、学問の神様の近くならではの風景が見られます。祭りの期間中は、お神輿や猿回しを見ることもできます。静かなひとときを過ごしたい人は、境内の梅を題材にした美術品を集めている寶物館でゆっくり展示品を鑑賞するもよし、近くの情緒あふれる坂道を歩きながら歴史に思いを馳せるのもいいものですよ。